エコー検査:症例の紹介(自験例)

ゆういち院長は、エコー検査を診療に積極的に取り入れており、早期診断に役立てております。

エコー検査はリアルタイムに病変を抽出でき、負担も少なく、さらに患者様にもわかりやすく説明できる利点があります。また、レントゲン写真の放射線被爆も回避でき、最近では副鼻腔炎・肺炎(乳児)の診断にもエコーの有用性が報告されております。

まだ未熟ですが、私も肺炎のエコー診断も今後できるようになりたいと考えております!

(まだエコーによる肺炎診断はできません・・・)

早期診断に有用であった症例を、自験例を通して少しご紹介いたします。

症例は、岩見沢こども・産科婦人科クリニック小児科外来での自験例です。

エコー診断の凄さを、少しでもお伝えできればと思います!

*おたふくかぜと反復性性耳下腺炎

おたふく(流行性耳下腺炎)は隔離や出席停止が必要な感染症ですが、

反復性耳下腺炎は、細菌感染などにより耳下腺が腫れます。両者は外見からは区別が難しいです。

しかし、エコー検査では所見によりある程度鑑別可能です。

おたふくかぜでは、耳下腺の腫れがチーズのように白くペットリしていますが、

反復性耳下腺炎では.....

ぶつぶつと、小嚢胞構造物が見えます。

*ノロウイルス胃腸炎(ウイルス性)と細菌性腸炎(サルモネラ食中毒)

ノロウイルスなどのウイルス性腸炎は、主に小腸粘膜肥厚と腸液が観察されます。

❝蜂の巣サイン❞と呼ばれています。下痢症状の出現前にもエコーで所見が見えます。

一方、サルモネラ、カンピロバクター腸炎などの細菌性腸炎は、

上行結腸などの大腸粘膜肥厚、回腸末端炎の所見が認められることから、ある程度区別できます。

下の2枚エコー写真はサルモネラ腸炎(上)カンピロバクター腸炎(下)で見られた、

上行結腸粘膜肥厚の所見です。

粘膜が腫れてタラコ唇のようになっています・・・

 

*虫垂炎(10歳女児)

嘔吐と強い腹痛で来院されました。

虫垂が腫れて、虫垂石、周囲の脂肪組織が炎症で白く見えます。

即日手術となりました。

*O-157感染による血便児の直腸粘膜の肥厚所見(1歳女児)

腹痛と血便を主訴に来院されました。

直腸の粘膜がむくんで、肥厚している所見です。

正常では肥厚していないので、直腸粘膜が激しく損傷しているのがわかります。

その後、HUSを発症しました。

*間欠的腹痛(夜間)を主訴に来院した水腎症(10歳男児)

夜間にのみに毎日腹痛を訴える児で、おしっこが溜まると間欠的に水腎症となり、

腹痛の原因となっておりました。泌尿器科に紹介いたしました。

*ミルクアレルギーによる小腸粘膜の肥厚所見(生後5か月女児)

嘔吐、血便、不機嫌で来院されました。

小腸粘膜の肥厚所見を認め、採血検査と合わせてミルクアレルギーと診断しました。

食物アレルギーのお腹の中の反応がリアルタイムで観察できました。

症状の改善とともに肥厚は改善しました。

*食物アレルギーすべてがエコーで分かるわけではありませんが、

 腹痛・血便などの症状がでた場合は、参考所見の一つとなります。

*激しい腹痛 便秘  5歳男児

お腹を強く痛がっており、心配しましたが、便秘でした。

膀胱の下に便が溜まり、膀胱を押し上げています。

浣腸で排便後、痛みは無くなり帰宅されました。

*心臓腫瘍(日齢 0の新生児)

 

心臓の心室の中に白く光る腫瘤(腫瘍)が認められます。

スクリーニングエコーで偶然発見されました。

*左先天性股関節脱臼(生後1か月)

左の股関節ですが、骨頭がやや外側にずれています。

北大整形外科にご紹介し、早期にリーメンビューゲル装具治療開始となりました。

*胆道閉鎖症と、胆道拡張症(それぞれ生後1か月)

黄疸で来院されました。胆のうが描出されず、

肝門部門脈域の不整高輝度化を認め繊維化していました。

翌週に北大で葛西手術となりました。

こちらは、エコー検査で偶然発見された、胆道拡張症の児です。

胆道が大きく拡張しています。

*肝血管腫(新生児)

肝臓内に円形の腫瘤病変を認めました。

精査の結果、良性腫瘍の肝血管腫でした。

*腸重積(生後5か月

嘔吐と不機嫌で来院。 血便は認めませんでしたが、
エコーでmultiple concentric ring signを認め、腸重積と早期に診断できました。
2次病院に紹介し容易に整復できました。

この症例のように、腸重積も血便が出る前から早期に診断可能な点がエコーの利点です。

*アレルギー性紫斑病
(血管性紫斑病) 3歳

強い腹痛で来院されました。虫垂炎を疑うほどの腹痛でしたが
虫垂腫大は認めず、腹痛の原因が不明で診断に難渋しました。
しかし、
エコーで十二指腸壁の肥厚と、回盲部の肥厚
(マッシュルームサイン)を
認めたため、アレルギー性紫斑病を鑑別に疑い2次病院へ紹介したところ、
入院翌日から下腿に紫斑が出現し、
アレルギー性紫斑病の診断に至りました。
ステロイド剤治療で軽快しました。

 

 

*伝染性単核球症
(胆のう壁の肥厚)2歳男児

高熱の持続、食欲不振で来院。

エコーで胆のうの壁が肥厚しており、
肝機能障害を疑いました。
採血検査施行したところ、
AST 456 IU/l  ALT 352 IU/L
と肝酵素の上昇と異形リンパ球を多数認めました。

最終的には、EBウイルスによる伝染性単核球症の診断に至りました。

エコーにより肝機能障害を疑うきっかけとなりました。

*鎖骨下リンパ節腫脹(11歳 男児)

11歳の男児。右鎖骨下の腫れを主訴に受診されました。

リンパ節が数個腫脹していました。
大学病院での精密検査から、ホジキンリンパ腫の診断でした。