プリックテストとは
食物を摂取後に起こる、蕁麻疹や口腔アレルギー症候群、アナフィラキシーショックなどを即時型アレルギーといいます。
プリックテストはこれらの即時型アレルギーの原因を特定するために行う検査です。
体内に入るアレルギー発症要因が少ないため、比較的安全に行うことができ、有用性も高く世界的にも推奨されている検査法です。
特に、アレルギー血液検査では調べられない項目(例)ブドウ、パイナップル、穀物、野菜などに威力を発揮します。
ただし、感度は100%ではありませんので、スクリーニング的な要素も否めません。最終的には実際にそのものを食べる食物負荷試験が必要な場合が多いのが現状です。
プリックテストの様子
PM1:45分に来院し、診察室で全身状態(発熱、風邪症状の有無など)の確認を行います。
ゆういち院長が、本日のプリックテストが実施可能と判断したら行っていきます。
写真は 梨アレルギーを疑われた患者様です。(ご了承を得て掲載しています)
給食で皮付きの梨を食べ、のどにかゆみが出ました。皮にアレルギーの原因があるのか、
それとも梨の実に原因があるのかを判別するため、プリックテストをすることになりました。
これは血液検査では判別できません。プリックテストのよい適応です。
プリックテストを行う食品は患者様に持参していただきます。
梨を皮付き・皮なしの2種類、リンゴを皮つき・皮なしの2種類、ブドウの検査も希望されたためブドウも1粒もってきていただきました。ブドウは血液検査の項目にないのでプリックテストが有用です。
腕を消毒し、3cm間隔を計って印となるシールをはります。
プリックテスト用の特別な針で 調べたい食品を刺し、そのあとに腕に押しあてます。
1mmにも満たない針であり、痛みも出血もありません。
必ずアレルギー反応のでるヒスタミン液もつけ、ヒスタミンの反応が出た場所とそれ以外の果物などを押し当てた場所の反応を比較することでアレルギー反応が出ているか確認をします。
※ヒスタミン液をつけた部分はかゆみがでるので、検査終了後に薬を塗ります。
15分後に判定を行います。
写真ではわかりにくいですが、梨の皮と実を押し当てた場所が赤く反応しています。
リンゴ、ブドウは陰性でした。
梨の皮ではなく、やはり梨の実そのものにアレルギー反応が出現することが判明しました。
つまり、皮をむいて食べても症状がでる可能性がわかりました。花粉交差の口腔アレルギーと思われました。
最後に、今後の方針について ゆういち院長からお話をして終了となります。
この際、かゆみが強い場合は事前に処方しておいた内服薬や塗り薬を使用します。
プリックテストの様子 その2
次の患者様は、バナナ・リンゴ・ブドウのアレルギーが疑われ、プリックテストを行いました。
ブドウは、皮付き、皮なし、緑ブドウと黒ブドウの2種で調べました。
特にブドウは血液検査の項目にないので、プリックテストが有用です。
ブドウを食べると、3-4時間後に蕁麻疹が2回でたことでアレルギー外来を受診されました。
問診からは はっきりとブドウが蕁麻疹の原因か判断するのは難しい印象でした。
こちらも写真ではあまりわかりませんが・・・
結果は緑のブドウと皮をむいた黒ブドウの2つで赤く反応し、陽性反応が出ていました。
ブドウを食べて蕁麻疹がでていたエピソードと検査結果が合致しました。
採血など他の検査結果から総合的に判断すると、
年齢が経つと治る可能性もあるクラス1型のアレルギーと思われました。
それまでは経過観察していきます。
リンゴ、バナナは陰性で、検査終了後にさっそくバナナを美味しそうにほおばっていました!
アレルギー専門医の指導の下、安全に食べられるかを知ることは こどもの生活の質を向上させます!
❝僕にも少し分けてー❞と、ゴリポン君・・・・・❝ブドウもいずれは治ると思うよ!❞
*この結果がすべてではありません。
感度の問題があります。問診、採血結果、負荷試験などで総合的に判断する場合がありますので、アレルギー専門医に ぜひともご相談ください!